せっかく猫の去勢&避妊手術をしたのに、
「あれ?これってもしかして発情じゃないの!?」と、手術後に思わず目を疑ってしまいたくなる行動をすることが・・・!
もしかして、それって去勢・避妊手術の失敗が原因かもしれません。
万が一失敗していた場合、猫ちゃんに重い後遺症が残ることだってあります!!
この記事では、
- 猫が手術後(去勢&避妊)に発情する原因
- 猫の去勢&避妊手術の失敗のリスク
- 手術失敗による後遺症
去勢&避妊手術後に猫が発情!これって失敗が原因なの?
手術失敗で発情することもあるが、成功で発情する場合も!
愛猫が去勢&避妊手術をしたのに「これって発情のサインじゃない?」と思わず目を疑ってしまった方・・・、
もしかするとそれは、去勢&避妊手術の失敗かもしれません!
ただ実は、手術が失敗していなくても猫ちゃんによっては手術後に発情する場合もあります。
では、「なぜ手術後に発情してしまうのか?」その原因についてご説明したいと思います。
【手術後】メス猫が発情する原因
メス猫が発情すると、
- 独特な大きな声で鳴いたり
- 飼い主さんに対してやたら甘えてくる
といった行動をしてきます。
本来、避妊手術を行うことでこのような行動はなくなるのですが、避妊手術に失敗することで、再び発情が見られるようになります。
それでは、メス猫の場合、どのようなことが原因で発情をしてしまうのでしょうか?
【原因①】卵巣の取り残し
犬よりも非常に分離しやすい構造をした猫の卵巣は、手術自体も複雑ではないことから取り残すこと自体起こりにくいです。
しかし、肥満・卵巣に付着した靭帯が強固で厚い・卵巣周辺の組織の増生が著しいといった悪条件が重なることで、取り残してしまう可能性がほんの少し生じてしまいます。
こんなことってあるの?と思ってしまいがちですが、卵巣は再生力がとても強い組織のため、ほんの少しでも体内に残っているだけで元の状態まで再生してしまうんです!
実際に、避妊手術をしたのに発情をしてしまうという猫のエコー検査をしたところ、卵巣の一部と思われる臓器を確認できたということもあったそうです。
【原因②】副卵巣の存在
稀にですが、卵巣以外に卵巣と同じような組織をもつ【副卵巣】と呼ばれるものを持つ猫がいます。
もちろん、すべての猫が持っているわけでもないため、副卵巣自体珍しいことですし、存在する場所も決まっていないんです。
しかもこの副卵巣、普段は何の働きもせず体内に存在しているだけなのに、避妊手術をして卵巣を摘出することで、急に卵巣の代わりとして機能を発揮しだすちょっと厄介な存在なんです。
【原因③】避妊手術が早すぎた
副卵巣同様にこちらも稀ではありますが、避妊手術が早すぎることで、体の中で卵巣の代わりになりそうな細胞のようなものを作ってしまうことがあります。
もちろん、完全に卵巣としての機能を果たすことはありませんが、発情を起こすくらいまでは成長してしまいます。
ただし、これは生後1~2ヶ月とかなり若い段階で避妊手術を行った場合に起こりやすいと言われているため、通常は考えにくいです。
しかし、生後間もなくなんらかが原因で避妊手術をしてしまった場合にはあり得るかもしれません。
【手術後】オス猫が発情する原因
オス猫が発情すると、縄張り意識が通常より強くなるため、
頻繁にあちらこちらでスプレー行為(マーキング)をするようになります。
また、室内にオス猫しかいなくても、外を歩くメス猫が発するフェロモンを嗅ぐことで、同じ空間にいなくても発情しスプレー行為をしてしまうこともあるのです。
通常、去勢手術を行うことでスプレー行為はなくなると言われているのですが、避妊手術同様に手術に失敗することで再び発情をし始めてしまいます。
また、オスの場合は一度発情してしまうと発情が癖になってしまうといった問題もあるんです。
それでは、メス猫の場合、どのようなことが原因で発情をしてしまうのでしょうか?
【原因①】去勢手術が遅すぎた
実は、去勢手術は初めての発情が来る前に行わないと、例え手術をしても発情をしてしまう場合多あるんです!
また、2回以上発情が来てから去勢手術を行うと、高い確率で発情期と同じような行動をするリスクが高まってしまうんです。
そのため、確実に発情期特有のスプレー行為などをやめせたいと思うのであれば、できるだけ早く去勢手術を行う必要があります。
【原因②】過度なストレスを抱えている
引っ越しや家具の配置変更などの模様替えをはじめとする環境の変化や、他の動物と共同生活を送ることで、稀にですが発情してしまうことがあります。
一度癖になってしまうと、去勢をしていても毎年のように発情期を迎えてしまうことがあるので、できるだけストレスのない環境作りをすることが大切です。
また、同居猫がいる場合は、全員去勢&避妊手術をすることをおすすめします。
猫の去勢&避妊手術って、失敗するものなの?手術のリスクについて
猫の去勢&避妊手術をしていても、ここまで説明した通り発情してしまうことがあります。
中には、手術自体は成功していても、環境の変化によって発情してしまうこともありますが、それでも術後に発情してしまうのは少し違和感を感じますよね。
そもそも、去勢&避妊手術は失敗するものなのでしょうか?
【失敗のリスク】100%失敗しないとは言い切れない!
実のところ、猫の去勢&避妊手術において失敗するといった経験をした獣医師はほとんどいないと言っても良いでしょう。
しかし、手術は人間が行うものなので、100%失敗しないとは言い切れません。当然、失敗のリスクはあります。
ここまで説明したように手術に失敗したことで、発情が起こってしまうことだってあり得るのです。
そのため、動物病院によっては必ず摘出した卵巣・子宮や精巣などを見せてくれるところもあります。
イマイチ分かりにくいという方がほとんどかもしれませんが、見せてくれるということは、手術に失敗はしていないという証でもあります。
【失敗のリスク】麻酔による事故も!
また、麻酔というものは安全なようでそのメカニズムはきちんとは解明されていないとも言われています。
そのため、麻酔による事故が起こることだってあります。
実際に、手術自体は成功したのに麻酔から目覚めなかった・麻酔からの覚醒がとても遅かったなどといったこともありますし、術後に状態が悪くなってしまう子もいます。
去勢&避妊手術は安心・安全だと言われていますが、100%ではないですし「当然失敗のリスクはある!」というのは必ず頭に入れておいてください。
猫の去勢&避妊手術が失敗するとどうなるの?後遺症が残ることも!
ここからは万が一失敗した場合、
発情以外では「どんな症状や後遺症があるのか?」についてご説明したいと思います。
【失敗の後遺症】尿管を傷つけ、尿管が一つに!
オス猫の去勢手術ではないことですが、開腹をするメス猫の避妊手術ではあり得ることです。
実は、子宮の近くには尿管があります。
もちろん、尿管を傷つけずに子宮だけを取り出して切断するのが一般的なのですが、稀にこの尿管を傷つけてしまったり切断してしまうということもあるそうです。
もちろん、あってはならないことなのですし、私自身そのような光景を目にしたことは一度もありませんが、失敗例としてあるとのことです。
ちなみに、一度傷がついてしまった尿管をつなぎ合わせることは困難と言われています。
ただし、2つある腎臓のうち1つの尿管さえ残っていれば、片方は機能してくれるため生活に支障はありません。
【失敗の後遺症】半身不随
去勢&避妊手術自体に成功したとしても、麻酔覚醒後に何らかのトラブルが生じてしまえば、手術そのものが失敗として捉えられてしまいます。
中には、半身不随や生死をさまよってしまうような重い症状が出てしまうことあるため、麻酔のリスクが高いということがうかがえます。
また、このような場合は、後遺症が残ることも想定されるためどんなに「大丈夫ですよ」と獣医師に言われたとしても、失敗のリスクがあることは頭の片隅に入れておくようにしましょう。
まとめ
このように、失敗しないと言われがちな去勢&避妊手術であっても、愛猫が発情してしまうことで初めて「失敗された!」と気づいた方もいるでしょう。
また、手術自体は成功していても、猫ちゃんによっては手術後に発情する場合もあります。
せっかく問題行動や健康寿命を延ばすために去勢&避妊手術をしたのに、発情してしまったら意味がなくなってしまいますよね。
もし、実際に発情の兆候が見られたら、必ず去勢&避妊手術を行った動物病院に相談をしましょう。
もし「失敗していない!」と言われても、念のため違う病院に相談してみることをおすすめします。
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