猫ちゃんは肉食動物なので、人間や他の動物とは違います。
食べ物の中には人間には問題なくても、猫ちゃんだと中毒を引き起こすものもたくさんありますから、飼い主さんがしっかり管理してあげる必要があります。
では、なぜ猫ちゃんには『お香』が危険なのでしょうか?
この記事では、
- 猫に「お香」が危険な理由
- お香による猫の症状
- 猫に危険な香りの「成分」と「種類」
猫に『お香』が危険な3つの理由
猫にお香が危険といわれている理由は主に以下の3つです。
お香が危険な理由
- 原材料によっては毒となるから
- データが少ないから
- 燃やすために香りが充満しやすいから
他にも理由がありますが、大きくわけるとこの3つが主な理由となっています。
ではそれぞれ詳しく説明していきます。
【危険な理由①】原材料によってはお香は猫に毒となる
「お香」といってもその原材料はそれぞれですし、種類が多いので製造過程によって使用しているものが違います。
お香は大きく分けるとこの2種類に分類されます。
お香の種類
- エッセンシャルオイルを混ぜて作っているもの
- エッセンシャルオイルなしで香木で作っているもの
エッセンシャルオイルを混ぜて作っているお香
エッセンシャルオイルや精油などは、猫ちゃんにとって毒となります。
体内に入る、香りをかぐ、皮膚で成分を吸収することになるので、嘔吐やめまい、命の危険を及ぼすこともあります。
そもそもそういった精油などは植物から抽出しているものなので、肉食動物である猫ちゃんは体内で分解ができません。
そのため体内にたまることになり、腎臓などの組織を破壊する危険性があるのです。
ですから「エッセンシャルオイルや精油そのものが毒となる」ので、お香に限らず原材料として使っているものは危険です。
エッセンシャルオイルなしで香木で作っているお香
次にエッセンシャルオイルを使わず、香木で作っているお香です。
こちらが猫ちゃんによって危険かどうかは、使っている香木によります。
猫ちゃんにとって毒となる植物は多くあり、700種類以上ともいわれています。
お香の原材料は種類にもよって違いますが、香木や植物の粉末が使われていることが多いです。
つまり「エッセンシャルオイルや精油を使っているお香は危険」、「使っていないお香でも原材料によっては危険」となります。
猫ちゃんに毒となる植物は多くありますから、できれば使わないようにするのが安全です。
【危険な理由②】猫へのお香のデータが少ない
猫ちゃんとお香のデータはまだ少ないです。
それにより何が問題かというと、こういったことが起こってきます。
問題
- どの香木や原材料が大丈夫なのかハッキリしていない
- 危険だというデータが多数でてこないと調査が行われない
お香は人間が使うため、人間にとって安全であるかどうかで原材料を選びます。
もちろん猫ちゃんなど他の動物に害があると判明すれば使用禁止となることもありますが、全ての原材料を前もって調べるのは無理があります。
お香など全ての原材料が全ての動物に問題がないかどうか、それを調べるのは困難ですよね。
そのためまだ猫ちゃんとお香のデータが少ないのです。
データが増えれば「この香木は大丈夫」「このお香は大丈夫」などがハッキリするでしょうが、残念ながら現時点ではまだ分からないというのが答えなのです。
ですが、猫ちゃんにはこういった特徴があります。
猫の特徴
- 毒となる植物が多い
- 植物の分解を苦手としている
このことからお香も危険性があると考えられるため、お香は使わない方が良いです。
もし万が一自宅にいる猫ちゃんに何かあったら悲しいですよね。
危険性があるなら「使わない」とうのが一番です。
【危険な理由③】お香は香りが充満しやすい
お香の原材料によっても違いますが、お香にはこのような特徴があります。
お香の特徴
- 香りが強い傾向がある
- 香りが部屋にしみつきやすい
- 燃やすために煙がでる
お香は燃やして使うことが多いですから、そのぶん香りも強い傾向があります。
そのために部屋に香りが残りやすく、家具などにも染み付きやすいです。
雑貨店なんかではお香を焚いていることがありますが、そういったお店は香りが強いことが多いですよね。
何か商品を買っても香りが染み付いていることも多く、自宅に置いておいてもしばらく香りがします。
お香の香りは充満しやすいため、万が一猫ちゃんに害がある場合は中毒になる可能性があります。
香りが残っているということは成分も残っているため危険性があるのです。
しかも猫ちゃんは人間と比べて鼻が良いですから、香りが強すぎて具合が悪くなることもあります。
人間でも香りが強いと気分が悪くなってきますから、そういった意味でも控えるようにすると安心です。
更に、お香は燃やすことになるため、煙がでます。
アメリカの大学チームの実験によると、お香は燃焼させることで有害物質が発生していることが分かっています。
一部ではお香の副流煙はタバコよりも害があるともいわれているため、猫ちゃんにとっても良い煙ではないのです。
香りの強さ、有害物質が発生するかどうかは、原材料や添加物などにも左右されます。
しかし、お香は全ての材料が記載されていないため、使用しているものが全て分かるわけではありません。
そのため、猫ちゃんの体を考えて使わない方が安全といえます。
猫がいるのにお香をたいてしまった!お香での症状
猫ちゃんがいる部屋でお香を使ってしまうと、このような症状が起こることがあります。
お香での症状
- よだれ
- めまい
- 体の震え
- 下痢
- 嘔吐
- 涙がでる
- 肌に湿疹や赤みがでる
- 肌のかゆみ
- 肌が腫れる
お香での症状はアロマ中毒とほとんど同じで、最悪の場合は命を落とすことになります。
アロマは精油が原材料となることが多いですが、アロマもお香も、猫にとって毒となる植物があるということは覚えていきましょう。
また上記で書いた症状が一般的ですが、その猫ちゃんによって発症することも違います。そのため異常を感じたらすぐに病院へ行くのがおすすめです。
特に変わった様子がなくても精油など植物エキスによっては、腎機能の障害を引き起こすこともあります。
体内で分解できないので体に蓄積していきますから、病気の原因となることがあるのです。
そのため「使ったけど猫に異変がないから大丈夫」と判断するのは止めておきましょう。
症状に個体差はあっても、基本的に精油を分解できる猫ちゃんはいません。
猫に特に危険といわれている香りの『成分』と『種類』
猫ちゃんに危険な植物は多くありますが、特に危険とされているのは以下の香り成分です。
危険な香り成分
- リモネン
- ピネン
- フェノール系
- ケトン系
また、これらの香り成分を多く含んでいるのは、これらの香りです。
危険な香り成分 | 具体的な香り名 |
リモネン | オレンジスイート、グレープフルーツ、レモン、ベルガモット など |
ピネン | ユーカリ、パイン、サイプレス、フランキンセンス など |
フェノール系 | シナモンリーフ、タイムホワイト、パチュリー、ミルラ、クローブバッド など |
ケトン系 | ペパーミント、ローズマリー など |
精油を使ったお香にはこういった香り成分が使われていることも多いです。
お香全般は使わない方が安心ですが、特にこれらの香りは危険が高いといわれています。
ですがここで紹介したものはあくまで一例ですし、他にも危険な香りはあります。
お香に限らず香りが発生するもの、植物由来のものはしっかり成分を確認してから使うようにしましょう。
まとめ
猫ちゃんにアロマが危険なのは有名ですが、実はお香でも危険性があります。
特にアロマでも使われている精油などが原料になっているお香は危険性もそのぶん高くなります。
しかし、精油を使っていないからといっても危険性があることは変わりません。
「猫は植物が苦手」というのが前提なので、アロマやお香に限らず植物エキスには気をつけておきましょう。