タマちゃん
実は、適量の「穀物」ならキャットフードに入っていた方がいいんだよ~。
トラくん
ズバリ!
グルテン(穀物)フリーのキャットフードがいいのは、小麦アレルギーの猫ちゃんだけ!
健康な猫ちゃんなら「穀物入りのキャットフード」でも何の問題もありません!
多すぎる「穀物」は良くありませんが、
栄養バランスを考えると、むしろ適量の「穀物」は入っている方がいいくらいです。
逆に、グルテンフリーのキャットフードは、高齢な猫ちゃんには内臓に負担がかかる場合もあるくらいですから。
最近、人気が急上昇している『グルテンフリー』のプレミアムキャットフード!
なんとなく「グルテンフリー」の方が良さそう!
と思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
中には、「グルテンフリー」の方が良い理由として、
「穀物(グルテン)がアレルギーの原因になるから!」
「猫は元々、穀物を食べない生き物だから!」
「猫は穀物を消化できないから!」
などなど。
と思っている人も多いと思います。
ですが、猫の体に「穀物は悪いモノ」という情報は、大間違いです!!
そこで今回は、
- 猫の体に「穀物は悪いモノ」という情報が間違っている理由
- キャットフードに「穀物」が入っていた方がいい理由
についてお話したいと思います。
補足:「グルテン」とは
グルテンは、小麦・ライ麦などの「穀物」から生成されるタンパク質の一種
一般的には「グルテン」=「穀物」と認識されている。「グルテンフリー」=「穀物不使用」
穀物とは、小麦・大麦・大豆・米・トウモロコシなど
猫の体に「穀物は悪いモノ」という情報が間違っている【3つの理由】
タマちゃん
むしろ「穀物」を食べた方がいいくらいだし!
トラくん
では早速ですが、
「穀物は悪いモノ」が間違っている理由についてまとめると、こんな感じ。
間違っている理由
- 「食べなくても生きていける」が「穀物は悪いモノ」に間違って伝わった!
- 加熱調理した「穀物」なら消化できる!
- 穀物を食べても「食物アレルギー」にはならない!
トラくん
【理由①】「食べなくても生きていける」が「穀物は悪い物」に間違って伝わった!
猫ちゃんは本来「完全肉食動物」なので、「穀物」を食べなくても生きていける!というのは本当です。
ただ、猫は穀物を取らなくても問題ない体なだけで、
穀物を食べたらダメなわけではありません!
タマちゃん
その理由は、
穀物を食べなくても、体の中で必要な栄養素を作り出せるからです。
「穀物」の主な栄養素は炭水化物で、「炭水化物」=「糖質」です。
人間も「猫ちゃん」も主なエネルギー源は「糖質」なので「糖」が必要なのですが、
猫は、タンパク質をアミノ酸に分解して「糖」に変えることが得意な動物です。
ですので、わざわざ「糖」を摂取しなくても、
自分の体の中で「糖」を作れるので、「穀物」を食べたくても大丈夫なのです。
極端な話、
穀物を食べなくても生きていけるわけです。
なぜか「食べなくても生きていける」が「穀物は悪いモノ」に変化して伝わった!
なぜか、この「穀物を食べなくても生きていける」という事実が、
いつの間にか「穀物は良くない!」という話に変化して情報が伝わってしまったのです。
ですので、
「穀物が悪いモノ」というのは、大間違いなのです。
間違った情報が伝わった理由
おそらく、間違った情報が伝わった原因はこれらが考えられます。
- 人間のグルテンフリー人気
- キャットフードを製造・販売する会社の宣伝や売りやすい
- 猫は穀物を消化できない!という誤解
「水道水が体に悪い!」という誤解と似ているかもしれません。
【理由②】加熱調理した「穀物」なら消化できる。
猫ちゃんが「穀物」を消化できないのは「生のままの状態」だった場合!
加熱調理した「穀物」なら、問題なく消化が可能です。
ちなみに、生の穀物が消化できないのは人間も同じで、
小麦や米、トウモロコシなど、生の状態で消化しにくいのは「猫も人間も同じ」です。
ただ普通、生の状態のまま食べるってしないですよね。
人間なら、小麦は「パン」に!米は炊いて「ご飯」に!トウモロコシは茹でて!
穀物を食べる時は、加熱調理して食べるのが一般的です。
猫に「穀物」をあたえる時も、通常は生のまま与えることはしないと思います。
普通は、キャットフードの状態であたえると思います。
キャットフードは「穀物」などの食材を加熱調理して作っていますので、生のままではありません!!
つまり、
キャットフードに含まれている「穀物」は何の問題もなく消化できる!ということです。
ですので、「猫は穀物を消化できない!」というのは間違いで、
正確には、生のままなら消化できないけど「キャットフードの状態なら何の問題もない!」ということです。
【理由③】穀物を食べても「食物アレルギー」にはならない!
たしかに、猫ちゃんのアレルギーの中には、
小麦アレルギーなど「穀物がアレルギーの原因物質になっている」場合もあります。
ただ、「穀物を食べると、アレルギーになる!」というのは大きな勘違いです。
「穀物」がアレルギー原因の本質ではありません。
アレルギーの原因物質として考えられているのが「タンパク質」です。
食物からタンパク質を吸収する際に、体が特定のタンパク質を「異物」だと認識し、免疫システムが過敏に働くとアレルギー症状が出るのです。
小麦アレルギーなら、小麦のタンパク質に反応。
卵アレルギーなら、卵のタンパク質に反応するわけです。
アレルギー症状の原因は、遺伝!?
アレルギー症状がでる原因は、
『遺伝的なもの』が大きいと考えられています。
その他には、
・ストレスによる免疫力の低下時
・病気による免疫力の低下時
・消化吸収がうまくできない時
こんな場合に発症しやすいと言われています。
また、近年のペットブームによる
血縁関係が近いもの同士の「無理な交配」によっての遺伝子構造の欠陥や「劣悪な飼育環境によるストレス」なども原因かもしれません。
つまり、「穀物」を食べてアレルギーになるわけではなく、
遺伝やストレスが原因で、タンパク質に過剰反応しアレルギー症状が出るわけです。
小麦のタンパク質に反応する「小麦アレルギー」が実際にあるので、
「小麦を食べるとアレルギーになる」=「穀物が悪い」というイメージになったのかもしれません。
「穀物」がキャットフードに入っていた方がいい【4つの理由】
タマちゃん
「穀物は良くない!」という情報が間違ってたことはわかったけど、
穀物って、そもそも猫に必要なの?
絶対に必要というわけじゃないけど、
キャットフードには「穀物」が入っていた方がいいんだよ。
トラくん
「穀物」がキャットフードに入っていた方がいい理由をまとめると、こんな感じ。
入っていた方がいい理由
- 穀類は「栄養素が豊富な食材」で、しかも安い!
- 穀物に含まれる「食物繊維」は、必要な栄養素!
- 穀物は「十分なエネルギー確保」と「内蔵への負担を軽減」のために必要!
- キャットフードを「粒状」に成形するために必要!
トラくん
【理由①】穀類は「栄養素が豊富な食材」で、しかも安い!
穀類には、猫が多く必要としている「タンパク質」も含まれていますし、
「炭水化物、繊維質、ビタミン、ミネラル」といった、さまざまな栄養素が含まれています。
猫ちゃんは本来「完全肉食動物」なのでタンパク質を多く必要としますが、タンパク質だけ取っていればいいわけではありません。
それだと栄養が偏ってしまいます。
人間でも同じですが「バランスよく栄養をとることが大事!」
栄養バランスが整ったキャットフードにするためには「穀物」はいい食材なのです。
また穀物は、安くで手に入る食材でもあります。
穀物を使わなくても栄養バランスを整えることはできますが、
そうすると、キャットフードの値段がすごく高くなってしまいます。
愛するわが子(猫)のためとは言え、毎月のエサ代が高額になるとキツイ人も多いのではないでしょうか。
栄養バランスを整えた上で、買いやすい値段にするためには、「穀物」は必要な食材なのです。
【理由②】穀物に含まれる「食物繊維」は、必要な栄養素!
穀物に含まれる「食物繊維」は、猫ちゃんにとって必要な栄養素です。
実際、猫は「食物繊維」を消化できないのですが、
腸内細菌のエサになることで、腸内環境を整える働きがあります。
食物繊維が少ないと、便の量が減って水分量が少なくなり、
腸内通過時間が長くなったり、便の粘稠度に影響したりします。
つまり、便秘になる可能性が高くなるわけです。
人間でも同じですよね(*^_^*)
「食物繊維」は多すぎてもダメだが、少なく過ぎてもダメな必要栄養素です。
【理由③】穀物は「十分なエネルギー確保」と「内蔵への負担を軽減」のために必要!
グルテン(穀物)フリーのキャットフードは、
炭水化物が少ないので、エネルギー量が不足しがちになります。
十分なエネルギー量を確保するために「タンパク質の量を多くしがち」になるのですが、
タンパク質が多いと体の機能が衰える「高齢の猫」には内臓に負担がかかる場合もあります。
ですので、「十分なエネルギー確保」と「内蔵への負担を軽減」するためにも適量の「穀物」は必要なのです。
【理由④】キャットフードの「粒状」に成形するために必要
キャットフードの「粒状」に成形するのに欠かせないのが「穀物」です。
添加物などでも「粒状」に成形することは可能かもしれませんが、
「穀物」を使う方が安全安心ですし、上記でお伝えしたような
「栄養バランス」や「腸内環境の整え」「エネルギー確保」など、さまざまなメリットがあるのです。
穀物フリー(グルテンフリー)がいいのは、穀物に対する「食物アレルギー」がある猫のみ!
アレルギーがない健康な猫ちゃんなら、特に「グルテンフリー」にする必要はなし!
最近は、猫ちゃんの健康を意識する飼い主さんも増え、
『グルテンフリー』キャットフードの人気が高まっています。
でも、なんとなく「グルテンフリー」の方が健康に良さそう!
と持っている飼い主さんも多い思います。
ズバリ!
グルテンフリーにした方がいいのは、小麦アレルギーなどの「穀物にアレルギーを持つ猫ちゃん」のみ!
穀物アレルギーの猫ちゃんなら、
当然、アレルギーの原因である穀物が入っていない「グルテンフリー」のキャットフードにすべきですが、
アレルギーがない健康な猫ちゃんなら、特に「グルテンフリー」にする必要はありません。
タマちゃん
グルテンフリーは「高齢の猫ちゃん」には注意!
健康な猫ちゃんに「グルテンフリーの物をあたえたらダメ!」というわけではありません。
グルテンフリーの物をあたえても問題はありませんが、
高齢な猫ちゃんには注意が必要です。
上記でもお話した通り、
高齢の猫ちゃんの場合、グルテンフリーの物は「内臓に負担がかかる」場合もあります。
穀物が「大量」に使われている「安いキャットフード」には、要注意!
「穀物は悪いモノではなく、むしろキャットフードに入っていた方がいい食材!」
ということは、わかってもらえたと思います。
ただ、「穀物」が栄養豊富な食材でも、大量に摂取した場合は別です。
スーパーなどで一般的に売られている「安いキャットフード」には、価格を抑えるために「大量の穀物が使われている」可能性があります。
「穀物」自体が悪いわけではなくても、
不必要な「穀物」を大量に摂取すれば、体にいいわけがありません!
人間でも炭水化物が主食ですが、
過剰に取り過ぎると、肥満の元になりますし「糖尿病」の原因になるかもしれませんよね。
さらに、過剰に摂取すると、
もしかすると「アレルギーの原因」になるかもしれません。
つまり、
たくさんのメリットがある「穀物」ですが、
適切な量が大切で、大量に使われている「安いキャットフード」には要注意!ということです。
パッケージ裏の「原材料の部分」に一番最初に記載されている材料が、「穀物」の場合は要注意!
そのキャットフードの原材料の中で、一番多く「穀物」が使われているということです。