猫ブームといわれている近年、猫に関するメディア情報や猫グッズなどは、以前よりもさらに増えたように感じます。
なので、猫の可愛さに魅了されて「猫を飼いたい…!」という気持ちが芽生える人も多いのではないでしょうか。
中には「一人暮らしだけど、猫を飼いたい」と思っている人も、きっといることでしょう。
しかし、一人暮らしだと仕事や学校などで、猫に留守番させる時間がどうしても増えてしまいがち。
それに、一人で猫の世話を全て行わなくてはいけません。
「一人暮らしで猫を飼った結果、後悔するのは嫌だな…」と思ってしまいますよね。
結論からいうと、きちんとお世話をできる環境であるのなら、一人暮らしで猫を飼っても後悔はしません。
ただし、猫を飼う時の注意点や猫を飼うデメリットをきちんと理解しないまま猫を迎え入れてしまったら、場合によっては後悔することもあるでしょう。
「猫を飼うのは失敗だった…」と感じながら猫と接するのは、飼い主さんにとっても、猫にとってもストレスとなってしまいます。
ということで、今回は一人暮らしで猫を飼う場合の注意点や、メリットとデメリット、飼い方などについて詳しく解説していきます。
一人暮らしで猫を飼おうか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
一人暮らしで猫を飼う時の【5つの注意点】後悔する前に!
一人暮らしで猫を飼う前に、まずは以下の注意点を意識した上で、本当に猫を迎え入れても良いかどうか決めましょう。
注意点
- 猫を飼う経済的余裕があるか確認をする。
- 猫を飼っても良い物件かどうか確認をする。
- 猫にいたずらされない生活環境を整えられるか考える。
- 家を長期間空ける可能性はあるかどうか考える。
- 責任を持って最期まで飼えるのかよく考える。
これらの注意点は、猫の生活に大きく影響する重要なものばかりです。
猫のお世話が本当にできるかどうか、きちんと考えてからアクションを起こしましょう。
【注意①】猫を飼う経済的余裕があるか確認をする
猫の飼育費用は、思っている以上にかかります。
初期費用、毎月かかる費用、病院代など、猫の一生にかかる費用をトータルすると平均で100万円ほど必要になってくるのです。
猫が病気をして、長期的に病院へ通い続けることになれば、もっと費用がかかる可能性もあります。
なので、一人暮らしをするための費用+猫のための費用を出せるかどうか、考えておきましょう。
猫を飼い始めてから「こんなにお金がかかるなんて知らなかった…」と後悔するのは、飼い主さんにとって精神的なストレスになってしまいますからね。
【注意②】猫を飼っても良い物件かどうか確認をする
猫を飼う費用が十分にあったとしても、ペットNGの物件に住んでいるのであれば、猫を飼育することはできません。
なので、自分の住んでいる家で猫を飼っても良いかどうか、確認をしましょう。
もし、ペットNGの物件に住んでいる場合は思いきってペットOKの物件に引っ越してしまうのも、ひとつの方法です。
ちなみに、私も以前はペットNGの物件に住んでいましたが「いつか猫を飼いたい」という夢をずっと持っていたので、引っ越しするタイミングで「ペットOKの物件に住む」というのを絶対条件にして、物件探しをしました。
近年、猫や犬を飼育している人が増えた影響もあり、ペットOKの一人暮らし向け物件がどんどん増えているように感じます。
【注意③】猫にいたずらされない生活環境を整えられるか考える
猫は、室内のあらゆるものに興味を持ちます。
そのため、室内にあるものに猫が触れても問題ないような部屋作りをすることが重要です。
猫を飼った場合、以下のような対策がとれるかどうか考えましょう。
猫を飼った場合の対策
- 大事なものや危険なものは、カバーやケース、保護シートなどを使って、厳重に保管できるかどうか。
- もしくは、特定の部屋に大事なものや危険なものを全てしまっておき、猫をその部屋に入れないようにできるかどうか。
- コンセントでいたずらする可能性があるので、コンセントカバーを用意できるかどうか。
- 人間用の食べ物を、猫の手が届かない場所に保管できるかどうか。
- 窓やドアから猫が脱走しないような工夫ができるかどうか。
これらの対策を事前に考えておかないと「猫にいたずらされまくって、飼ったことを後悔している…」「猫を飼うのは失敗だった…」といった状態に陥る可能性があります。
部屋作りに相当こだわっている一人暮らしの人もいると思うので、猫のためにそのこだわりを妥協できるかどうか考えておきましょう。
【注意④】家を長期間空ける可能性はあるかどうか考える
出張が多かったり、旅行が多かったりする人は、猫の飼育が難しいかもしれません。
2泊3日程度のお留守番をたまにさせる程度であれば、ペットホテルに預けたり、自動給餌器(=自動で餌を与えられる機械)などを使ったりして対応できます。
しかし、2泊以上のお出かけを頻繫にしている場合は、ペットホテル代も高くつきますし、自動給餌器で対応できる日数にも限りがあります。
それに、留守の間に猫が病気をしたり、室内で思わぬトラブル(停電による空調のストップなど)が起こったりする可能性もあるので、長期間のお留守番はおすすめできません。
ただし、「実家や知人の家に猫を長期間預けておくことができる」といった状況にあるのなら、安心して猫の飼育をお願いできるので、猫を飼い始めても問題ないでしょう。
【注意⑤】責任を持って最期まで飼えるのかよく考える
猫がどんな状況になっても、最期まで責任を持ってお世話できるかどうか、今一度真剣に考えてみてください。
猫がずっと健康な状態でいるかどうかは、誰にも分かりません。
途中で大きな病気や怪我をしてしまい、介護が必要になる可能性だってあります。
それに、飼い始めた猫が、必ずしもお利口さんで優秀とは限りません。
もしかしたら、とんでもなく攻撃的な性格で、飼い主さんを毎日のように困らせるかもしれないのです。
もしそんな状況になったとしても、猫を大事にし、必要なお世話をしてあげられるかどうか、じっくりと考えましょう。
「一人暮らしで大変なのに、そんな面倒な猫の世話までするのはちょっと…」と思うようであれば、猫を飼わないでください。
猫に限った話ではありませんが、ペットは人間のおもちゃではなく、家族の一員です。
なので、猫を家族同然だと思えるかどうか、自問自答してみてください。
一人暮らしで猫を飼う時の『4つのメリット』とは?
一人暮らしで猫を飼うのは大変そうに思えますが、実は猫を飼うことによって以下のようなメリットも出てきます。
メリット
- 寂しい気持ちを忘れることができる。
- 猫は人間に癒しを与えてくれる。
- 生活リズムが整いやすい。
- 猫好きや動物好きの人と仲良くなりやすい。
上記の項目を見てもらうとわかる通り、猫を飼うと充実した生活を送ることができる傾向にあるのです。
ということで、さっそくそれぞれのメリットの詳細について見ていきましょう。
【メリット①】寂しい気持ちを忘れることができる
一人暮らしをしていると、寂しさを感じやすいもの。
しかし、猫が家の中にいると、その寂しさを忘れることができます。
ごはんをねだってきて甘えてきたり、飼い主さんの布団の中に入ってきて一緒に眠ったり、猫じゃらしで楽しそうに遊んでくれたり…といった行動を見せてくれた日には、もう寂しさなんて吹っ飛んでしまいますよ!
【メリット②】猫は人間に癒しを与えてくれる
猫は見ているだけで心が癒されます。
これは科学的にも証明されていることで、猫とコミュニケーションをとることによって精神の治療をする「アニマルセラピー」というものも実際にあるんです。
ちなみに、猫のゴロゴロという鳴き声には様々な良い効果があることも分かっています。
猫のゴロゴロ音の周波数を人間が聞くことにより、脳が幸福感を覚えてストレスを軽減できたり、免疫力が上がったりするといわれているのです。
一人暮らしの生活で心やからだが疲れてしまった時でも、自宅にいる猫と触れ合うことによって、元気を取り戻しやすくなるといえるでしょう。
【メリット③】生活リズムが整いやすい
猫を飼っていると、猫にごはんを与える時間や、猫用トイレの掃除の時間などが、だいたい決まってきます。
猫のことを考えた行動をとる必要が出てくるので、自然と規則的な生活リズムになりやすいといえるでしょう。
「一人暮らしになった途端、生活リズムがルーズになってしまった」という人は多いと思いますが、猫を飼うことによってそれを直すことができますよ!
【メリット④】猫好きや動物好きの人と仲良くなりやすい
猫を飼い始めると、当然猫に関する知識や、猫との思い出話が増えます。
なので、猫好きな人や動物好きな人とは、話が弾みやすい傾向にあるのです。
「動物好きな異性が好き」という人も多いので、恋人探しをしている人は会話ネタとして猫の話をすることもできちゃいますよ!
ちなみに、私も猫を飼い始めてから、猫好きな友達と猫トークをすることが増えました。
一人暮らしで猫を飼う時の『7つのデメリット』とは?
一人暮らしで猫を飼う時のメリットについて紹介しましたが、その一方で当然デメリットもあります。
以下のようなデメリットも受け入れた上で、猫を飼うようにしましょう。
デメリット
- 飼育費用がかかる。
- 猫にいたずらされる可能性がある。
- 家の中が汚れやすくなる。
- 猫に作業の邪魔をされる可能性がある。
- 毎日しっかりとお世話する必要がある。
- 猫アレルギーの人を自宅に招待しにくくなる。
- 猫が亡くなった後、ペットロスになる可能性がある。
正直、メリットよりもデメリットの方が多いですが、猫を飼ってから後悔しないためにも、デメリットの内容をしっかりと把握しておきましょう。
【デメリット①】飼育費用がかかる
先述した通り、猫を飼うとなるとけっこうな金額がかかります。
今は経済的な余裕があったとしても、その状態がずっと続くとは限りません。
「猫を飼っていなかったら、趣味にもっとお金を使えたのに…」「猫のために今月は節約しなきゃいけない」といった状況に陥る可能性だってあります。
それでも、猫優先でお金を使えるかどうか、よく考えてから猫を飼い始めましょう。
【デメリット②】猫にいたずらされる可能性がある
好奇心旺盛な猫は、色々なものに手を出します。
室内に置いてある雑貨やフィギュア、人間の食べ物、生活用品などをおもちゃにしたり、口の中に入れてしまったりすることもあるので、猫に手出しをされないように気をつける必要があります。
私の飼っている猫も、高い場所に飾ってある小物を落として壊したり、テーブルの上にある人間用のごはんに近寄ってきたりすることがあります。
なので、「猫のいたずらには注意せねば…」といった意識を、私は常に持っています。
【デメリット③】家の中が汚れやすくなる
猫は、家具やカーテン、壁で爪を研いでボロボロにしたり、猫砂を散らかしたり、場合によっては排泄の失敗や粗相をしてしまうことがあります。
つまり、猫を飼っていると家の中がどうしても汚れやすくなるのです。
猫に汚されても構わないインテリアを設置したり、汚されたらこまめに掃除をしたりする必要があります。
【デメリット④】猫に作業の邪魔をされる可能性がある
パソコン作業やスマホの操作、テレビなどを見ていると、猫が邪魔をしてくることがあります。
寂しがりやな猫の場合だと、飼い主さんが他のものに夢中になっていることが気に食わないと感じるようで、作業の邪魔をしてくるのです。
邪魔をしてくる動機はとても可愛らしいですが、あまりにもしつこく邪魔をしてくる場合は、作業を中断して猫に構ってあげる必要が出てきます。
【デメリット⑤】毎日しっかりとお世話する必要がある
猫のごはんや猫用トイレの掃除は、毎日行う必要があります。
猫のごはんに関しては、人間のように1日2~3回に分けて食事をとらせる方法が一般的なので、夜遊びで丸一日家を空けることができなかったり、飼い主さんの具合が悪い時でも猫の世話をしてあげたりしなくてはいけないのです。
同居人がいる場合は猫の世話をお願いすることもできますが、一人暮らしの場合だとそうもいかないので、自分一人で責任を背負う必要があります。
【デメリット⑥】猫アレルギーの人を自宅に招待しにくくなる
猫アレルギーの人を自宅に呼びにくくなるのも、デメリットのひとつです。
頻繫に自宅に遊びに来る人が猫アレルギーを持っている場合は、猫を飼い始める前に一言相談しておいた方が良いでしょう。
「猫アレルギーの人を自宅に招待できなくなったせいで、一人暮らしの生活に支障が出てしまった…」なんて後悔をしないためにも、事前の相談は重要です。
【デメリット⑦】猫が亡くなった後、ペットロスになる可能性がある
長年一緒に暮らしてきた猫が亡くなってしまった時のショックは、相当大きいものです。
家族同然の猫が亡くなってしまうのだから、当然ですよね。
ペットロス(=ペットが亡くなったショックで心身の健康を損なう状態)になってしまう可能性だって、大いにあります。
「こんなに悲しい思いをするなら、猫を飼わない方が良かった…」と後悔する人もいるほどなので、猫を飼う前から覚悟を決めておきましょう。
猫を飼うのに必要なもの(準備するもの)は?
この記事をここまで読んで「自分は責任を持って猫の世話ができる!だから猫を飼おう!」という思いが湧いてきた方も、きっといることでしょう。
しかし、猫を迎え入れるのであれば、当然猫を飼うのに必要なものも出てきます。
以下が猫を飼うのに必要なものの一覧です。
必要なもの
- 猫用トイレ
- 猫砂
- キャットフード
- 猫用食器
- 猫用ベッドやハウス
- 猫用おもちゃ
- 猫用爪とぎ
- キャリーバッグ
- 猫用首輪
上記の一覧を見たら分かる通り、ごはんやトイレ関連のグッズ以外にも色々なものが必要なのです。
それぞれどのようなグッズなのか、なぜ猫を飼うのに必要なものであるのか、簡単に解説していきます。
猫用トイレ
猫用トイレは、最低限ひとつは必要になります。
多頭飼いをする場合や、1泊以上のお出かけをする場合は、さらに猫用トイレを増やさなくてはいけないので、猫を飼うのであればそのことも頭の片隅に置いておきましょう。
猫砂
猫用トイレだけがあるだけでは、猫は排泄できません。
猫砂という猫用トイレに敷いておく砂が必要なので、これも忘れずに用意しましょう。
ペットショップで猫を飼う場合は、店員さんが「この猫ちゃんは、今までこの猫砂を使っていたのでおすすめですよ~」と教えてくれることが多いです。
キャットフード
猫を飼い始めた当日から、キャットフードは必須です。
人間の食べ物は猫にとって悪影響をもたらすことも多いですし、猫に必要な栄養をまんべんなく摂取させてあげることが難しいです。
なので、人間の食べ物ではなくキャットフードをきちんと用意しましょう。
猫用食器
キャットフードと一緒に猫用食器も用意しましょう。
猫用食器は「猫が食べやすいこと」をしっかりと考えて作られているので、人間のお皿とはまた違います。
ごはん用と水用、最低限この2つの食器は用意する必要があるので覚えておいてください。
猫用ベッドやハウス
猫用ベッドやハウスは、猫が休憩をしたり、落ち着くことができる場所として設置してあげます。
猫は暗くて狭い場所を好む傾向があり、ペットショップなどに行くと、箱型の猫用ハウスやベッドがたくさん販売されているのを確認することができます。
キャットタワーに猫用ベッドやハウスがくっついていることもあるので、そのようなキャットタワーを購入するのもおすすめです。
「一人暮らしの家でそんなに広くないから、キャットタワーや大きなハウスを置くのはちょっと…」と思う場合は、段ボール箱で作ったハウスなどでもいいので、何かしら用意してあげましょう。
猫用おもちゃ
猫じゃらしやボール、ねずみのおもちゃなど、猫が遊べるおもちゃを用意してあげましょう。
室内飼いをする場合は、どうしても猫が運動不足に陥りがちなので、からだを動かすためにも猫用おもちゃで遊ばせることは重要です。
特に、一人暮らしの家だと運動用のスペースをたくさん確保できないこともあるので、猫用おもちゃは必須といえます。
猫用爪とぎ
猫用爪とぎを設置しておくことにより、家具やカーテン、壁などを引っかかれるリスクを軽減することができます。
私の家でも、猫用爪とぎを設置することによって、猫の爪とぎ被害はほとんどない状態です。
猫用爪とぎを設置していないと、猫は爪とぎの代わりになるものを探して、勝手にバリバリと爪を研ぎ始める傾向にあります。
「こんなに家の中を傷つけられるなんて…」と後悔しないためにも、猫用爪とぎの設置はしておきましょう。
キャリーバッグ
キャリーバッグは猫を飼う前か、もしくは猫を飼うのと同じタイミングで購入する必要があります。
というのも、猫を連れて帰ってくる時に、キャリーバッグに猫を入れて自宅まで運ばなくてはいけないからです。
ペットショップで猫を購入する場合は、その場でキャリーバッグも一緒に購入してしまうのが一番手っ取り早いですし、店員さんおすすめのキャリーバッグを聞くこともできるのでおすすめです。
猫用首輪
室内飼いをしていたとしても、猫が家の外に脱走してしまう可能性はゼロではありません。
「いつの間にか窓を自分で開けて、出て行ってしまった」「うっかりドアを開けっぱなしにして、猫が脱走した」といったケースは、実際によくあることなのです。
そんな万が一のトラブルも考慮して、家の住所や連絡先を書いた首輪を用意し、猫につけてあげましょう。
脱走した猫を保護した人が、首輪に書かれた情報を見て届けてくれる可能性が高くなります。